ドラァグパフォーマーのメイク映像はなぜ放火事件報道の導入に使われたのか――BENEDMO報告書が検証するオランダ放送のLGBTQIA+表象パターン

「なぜドラァグクイーンのメイク映像が放火事件の枕になるのか」――BENEDMO報告書が検証するオランダ放送のLGBTQIA+表象パターン ジェンダー

 本稿が扱うのは、BENEDMO(ベルギー・オランダ語圏を対象とするEDMOハブ)が2026年8月24日に公表した報告書「Beyond Visibility: Framing LGBTQIA+ topics in Dutch news and current affairs broadcasting」(可視性を超えて――オランダのニュース・時事番組におけるLGBTQIA+テーマのフレーミング)である。BENEDMOは欧州委員会が資金提供するEuropean Digital Media Observatory(EDMO、欧州デジタルメディア観測機構)の15の地域ハブの一つで、ファクトチェッカー、メディア専門家、研究者らによるフラマン・オランダ間の偽情報対策協力体として運営されている。コンソーシアム参加機関にはBellingcat、オランダ視聴覚アーカイブ機関Beeld & Geluid(視聴覚研究所)、テキストマイニング企業Textgain、ファクトチェック団体Nieuwscheckers、アムステルダム大学、ベルギー公共放送VRT、KU Leuven、オランダ通信社ANPが名を連ね、KnackやPointer、Netwerk Mediawijsheidが準会員として参加する。報告書の著者はBeeld & GeluidのGabrielle Aguilar van Gendで、クリエイティブ・コモンズ表示ライセンスのもとで公開されている。

 報告書の出発点は二つの具体的な放送事例である。ロッテルダムの近隣バーで発生した放火事件について、警察は反同性愛的動機とバーが掲げていた連帯のプライドフラッグとの関連を疑っていたが、番組は現場取材の代わりにドラァグパフォーマーがメイクをする映像クリップをセグメントの導入に用いた。もう一つは、あるテレビ番組がジェンダー移行を望む人々の「増加する現象」と称する議論において、複数の反トランスジェンダー団体の代表者とデトランジショナー(性別移行を撤回・中止した人物)を、単一のトランスジェンダー当事者と並べて討論させた事例である。これらの事例から報告書が立てる問いは、「LGBTQIA+のテーマが『ニュースになる』あるいは政治的争点となるとき、言説と視覚的フレーミングの双方にどのようなパターンが現れるか」というものである。

方法論――FactRankとCLARIAH Media Suiteによる可視化

 分析対象となった資料は、FactRankというツールを用いて収集された2024年から2025年にかけてのオランダのニュース・時事番組の放送素材である。FactRankは公共の議論をモニタリングし、字幕・書き起こし・ソーシャルメディアから検証に値する主張(check-worthy claims)を自動検出するツールで、オランダの大規模メディアコレクションを対象とした学術研究環境であるCLARIAH Media Suiteの内部でアクセス・利用された。対象番組はニュース速報番組(NOS Journaal)、時事番組(NieuwsuurおよびEenVandaag)、意見志向の時事フォーマット(Ongehoord NieuwsおよびPowNed of View)、長時間インタビュー番組(VPRO Zomergasten)にわたる。

 コーパスの構築にはlesbisch(レズビアン)、queer(クィア)、homoseksueel(ゲイ)、LHBTI(LGBTI)、transgender(トランスジェンダー)、non-binair(ノンバイナリー)といった性的・ジェンダー的多様性に関連する広範な語群を用いたキーワード検索が用いられた。この検索から24の固有のキーワードが、LGBTQIA+関連の明示的な発言を含む放送セグメントを抽出し、FactRankによって識別された40件の主張からなるデータセットが得られた。これらの主張が、セグメントのより広範な質的検討の基盤となった。分析はFactRankが識別した主張やステートメントを、孤立した偽情報や意見の単位としてではなく、現代オランダ放送におけるLGBTQIA+表象・フレーミングのより広い解釈への入口として扱っている。

 本研究は2026年初頭にBENEDMOプロジェクト内で実施された複数パートナーによるファクトチェック・イニシアチブの一部でもあり、LGBTQIA+関連の誤情報・偽情報に関するFactchecking Deep Diveを伴っている。このDeep Diveはオランダ語のファクトチェック全体を横断する反復的なナラティブを特定しており、いわゆる「ゲイ・アジェンダ」ナラティブ(LGBTQIA+当事者を子どもへの脅威として描く言説、LGBTQIA+の影響力に関する誇張された主張、より広範な反ジェンダー言説)を含む。このDeep Diveは本報告書の比較対象として位置づけられている。

表象パターン――一般化への収斂

 報告書はまず、オランダの公共放送における多様性政策の歴史的経緯を振り返る。2008年、当時の教育・文化・科学大臣Ronald Plasterkは、主流メディアにおける社会の様々な集団のバランスの取れた表象を促進する新たなビジョンを打ち出した。この書簡「Visie op Media en Diversiteit」(メディアと多様性に関するビジョン)は、オランダ公共放送における多様性再定義の取り組みの重要な節目となった。その6年後、エラスムス大学ロッテルダムの研究(Engelbert & Awad Cherit, 2014)は、放送局が実際に多様性を「主流化」させたものの、その表象は平板化され、平均的なオランダの公衆に受け入れられやすい、より単純化された差異の形式が優先されたことを明らかにした。多様性はより可視化されたが、必ずしもより複雑あるいは繊細なものにはならなかった。本報告書が分析した素材にも、同種の緊張が見られるという。

 本研究で観察された最も顕著なパターンは一般化である。LGBTQIA+に関する論点は、LHBTI(lesbisch, homoseksueel, biseksueel, transgender en intersekse=レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス)やLHBT+ersといった、オランダ・フラマン語圏で一般的に用いられる包括的な集合的ラベルを通じて言及される頻度が高い。レズビアン、ゲイ、トランスジェンダーといったより具体的なアイデンティティへの言及も存在するが、頻度ははるかに低い。バイセクシュアル、インターセックス、エイジェンダー、アセクシュアルといった他のアイデンティティはほぼ完全に不在であった。結果として、LGBTQIA+コミュニティ内部の差異が明示されることは稀であり、当事者は個別の識別・経験の集合としてではなく、集合的に扱いうる単一の社会的・政治的カテゴリーとして構築される傾向にあった。

 この一般化の傾向は、付随するFactchecking Deep Dive の知見とも符合する。61件のファクトチェックを横断して、報告書は「ゲイ・アジェンダ」を最も頻繁に繰り返されるナラティブとして特定しており、これは同様に多様な性的指向・ジェンダーアイデンティティを、社会の様々な側面を解体しようとする何らかの共有された企てを追求する単一の政治的アクターへと収斂させるものである。放送フレーミングとファクトチェック報告の基盤にあるメカニズムは異なるものの、両方のデータセットは均質化するラベルの使用を通じてLGBTQIA+カテゴリーを内部的に未分化なものとして扱う点で収斂している。

 重要な例外は、トランスジェンダー関連の話題に特に向けられる注目である。トランスジェンダー問題はLGBTQIA+報道の中でも不均衡な量の注目を受けており、ニュース・時事放送の中で独自かつ高度に可視化された部分を構成している。同時に、この可視性は多くの場合、二極化したメディア討論の中に集中している。関連報道は医療に関する議論(思春期ブロッカー、ホルモン補充療法、医療アクセス)、法的討論(性別変更登録全般、スポーツにおけるジェンダー、刑務所におけるジェンダー、制度上の分類など)、アイデンティティに焦点を当てたナラティブ(移行対脱移行)という少数の反復的テーマに集中する。問題はどのアイデンティティが注目を受けるかだけでなく、その注目がどのような状況下で生み出されるかにもある。可視性そのものは、必ずしも包摂を意味しない。

可視性の問題化――紛争・脅威を通じた可視化

 可視性はしばしば包摂の指標として扱われるが、存在すること自体は表象の質や性質を必ずしも反映しない。少数派集団は紛争・論争・その他の例外的状況を通じて可視性を獲得することが多いことが、先行研究によって示されている。オランダ(Engelbert & Awad Cherit, 2014)とドイツ(Schotel, 2023, “Mainstream or Marginalized? How German and Dutch Newspapers Frame LGBTI”, Social Politics誌30巻2号444-469頁)のメディアを対象とした研究は同様に、より大きな可視性が、選択的かつ政治化されたままの表象と共存しうることを示している。

 本分析でも同様のパターンが確認された。素材の相当部分は、LGBTQIA+の話題を紛争・差別・社会的リスクのナラティブを通じてフレーミングしている。LGBTQIA+の個人やコミュニティは日常生活の一部としてではなく、法的紛争、政治的論争、公開討論、あるいは暴力や社会的緊張の事例といった出来事を通じて可視化されることが多い。結果として、可視性は視聴者の関心をより多く集めると想定される、紛争志向的・例外的なナラティブを優先する選択プロセスによって構造化されており、日常的な生きられた経験が表象される範囲を著しく制限している。

 オンラインで流通する偽情報ナラティブと主流ニュースは異なる環境で生産されるが、しばしば類似した注意喚起型・紛争志向型のコミュニケーションスタイルに依拠する。デジタルプラットフォームは、規制された放送環境と比較してモデレーションやゲートキーピングの違いにより、より露骨で先鋭化された、あるいは敵対的な言説形態を可能にしうる。それにもかかわらず、こうしたクロスメディアなナラティブは、LGBTQIA+コミュニティを論争の主体として構築する点で収斂し、その可視性が単に増加しているだけでなく、紛争・脅威・イデオロギー闘争との反復的な結びつきを通じて問題化されているという、より広いパターンを強化している。

 重要なのは、この問題化が複数の方向で作用している点である。LGBTQIA+コミュニティは差別・排除・暴力にさらされる脆弱な集団として構築される一方で、同時に懸念と疑念の対象としても表象される。後者のパターンは、トランスジェンダーの人々を含む偽情報ナラティブにおいて特に顕著であり、そこでは個人が心理的不安定さやアイデンティティに関連する特性に暴力行為を帰属させる主張を通じて、暴力と誤って結びつけられることがある。こうした問題化されたパターンは編集上のフレーミングを特に重要なものにする。すなわちLGBTQIA+の論点が主に紛争や論争を通じてニュースに入ってくるとき、その紛争がどのように組織化されるかが視聴者の理解のされ方をさらに形作りうるのである。

編集構造と意味の構築――「両論併記主義」とより広いイデオロギー的ナラティブ

 放送局がどのように話題を選択・文脈化・提示するかを規定する編集構造も検討に値する。時事フォーマットにおいて、これらの構造は、参加者による明示的な発言だけでなく、話題・発言者・意見対立が報道の中でどのように組織されるかを通じても、LGBTQIA+の論点の理解のされ方に影響を与えうる。

 声の選択と配分は、個々の議論が提示される前から、視聴者の問題理解を形作りうる。LGBTQIA+の話題が主に公的な争点として導入されるとき、意見対立の存在それ自体が物語の中心的特徴となり、生きられた経験、実証的根拠、あるいはこうした討論が生じるより広い社会的文脈についての問いを覆い隠してしまう可能性がある。このダイナミクスは「両論併記主義(two-sidesism)」として理解できる。対立する見解の代表者を軸に報道を組織することが、意見対立の表象それ自体をジャーナリズム的客観性の指標として位置づけてしまう現象である。こうしたフォーマットは、根拠の強さ、社会的影響、あるいは生きられた現実における差異に十分な注意を払わないまま、バランスが取れているという外見を作り出しうる。

 分析が示すのは、例えばトランスジェンダー当事者がメディアの討論や議論にしばしば登場し、継続的な包摂が代表的報道の重要な側面であり続ける一方、そうしたセグメントはトランスジェンダー当事者が討論の中で構造的に不平等な位置を占め続けている可能性を同時に示している、という点である。本報告書冒頭で提示された事例が示すように、ジェンダー移行の「増加する現象」を軸に組み立てられた討論は、複数の反トランスジェンダー団体の代表者とデトランジショナーを、単一のトランスジェンダー当事者と並べて配置していた。論点は単にトランスジェンダーの話題が取り上げられるか、あるいはトランスジェンダー当事者の声が含まれるかではなく、その声が討論に参加する他者との関係でどのように位置づけられるかにある。

 この意見対立の組織化は編集上のフレーミングの一つの次元にすぎない。分析はさらに、LGBTQIA+の論点がより広いナラティブの中に置かれることで、直接の話題に特定の社会的・政治的意味が与えられる過程を示している。「オランダのイスラム化」に関する討論は、LGBTQIA+の権利を移民、宗教的価値観、国民的アイデンティティをめぐる問いと絡み合わせた。トランスジェンダーのエマンシペーションに関する報道は、ジェンダー関連の医療をめぐる討論を、特に子どもを念頭に置いた「他者のためのリソースが利用できなくなる」という懸念と結びつけた。学校における性教育に関する討論は、LGBTQIA+の包摂を子どもへの潜在的脅威としてフレーミングし、若者が大人からジェンダー再指定、アナルセックス、複数人性行為、あるいはドラァグ文化といった話題に関与するよう促されているという主張を伴った。こうしたフレームの中で、LGBTQIA+コミュニティは単に社会集団や政策の主体として議論されるだけでなく、変化する社会規範・道徳・公共的価値の境界をめぐる討論における象徴として位置づけられる。その効果として、具体的な経験や政策上の問いは、それが位置づけられているより広い紛争の中で二次的なものとなり、LGBTQIA+の論点は個別の人物や政策に関する問いとしてだけでなく、社会的・政治的変化をめぐるより広い闘争における象徴として理解可能になる。

視覚的フレーミング――アンカー画像とドリフト画像

 報告書は視覚的フレーミングを独立した節で扱う。これは口頭での言説に注意が向けられる際には見えにくくなりうる連想やパターンを、映像の選択が可視化するためである。冒頭で提示された事例、すなわちLGBTQIA+の連帯を示すプライドフラッグを掲げていたバーへの放火疑い事件を報じる際に、なぜドラァグパフォーマーがメイクをする映像クリップがセグメント導入に用いられたのかという問いに、報告書は立ち返る。この結びつきは証拠に基づくものではなく、象徴的なものである。それは放送ジャーナリズムにおけるより広いパターン、すなわち画像が必ずしも何が起きたかを記録するために選ばれるのではなく、その物語がLGBTQIA+関連の論点に関わることを視聴者に即座に伝える視覚的合図を提供するために選ばれるパターンを指し示している。

 この区別は、話題に直接関連する「アンカー画像(anchored visuals)」と、画像が主として象徴的・一般的な図解として機能する「ドリフト画像(drift visuals)」という概念を通じて理解できる。本分析ではドリフト画像が特に顕著であった。こうした画像は即時的な意味で効果的かつ情動的であり、視聴者にとって鮮明で情動的に読み取りやすく、迅速に理解可能であるため、放送局は説明なしに「これはLGBTQIA+関連コンテンツである」と示すことができる。これが導く帰結は、ナラティブの内容と付随する映像との間の段階的な分離であり、時間の経過とともに、特定の画像が報道内容の具体性とは無関係な「LGBTQIA+コンテンツ」の互換可能な標識となっていく。セグメント全体を通じて、LGBTQIA+の話題は限られたレパートリーの視覚的ショートハンド、すなわちプライドフラッグ、プライドパレード、ドラァグパフォーマンス、レインボーのイメージを通じて頻繁に表象される。

 こうした編集上の選択には代償が伴う。視覚的にインパクトのある素材への依拠は、報じられている主題とわずかにしか関連していない場合でも、微妙にセンセーショナリズム的な効果を生み出しうる。目を引く映像は情動的な顕著性を高め、馴染みのある連想を強化する。これは偽情報を構成するものではないが、誤解を招く文脈化、ステレオタイプ化、そしてLGBTQIA+コミュニティがどのように視覚的に理解されるかについての認識の狭隘化に寄与しうる。

 視覚的フレーミングに関連するもう一つの問題は、異なるアイデンティティと文化的実践との混同である。性的指向(ゲイ、レズビアンなど)、ジェンダーアイデンティティ(トランスジェンダー、ノンバイナリーなど)、文化的表現・パフォーマンス(ドラァグなど)は概念的に異なるものであるが、視覚的表象において一貫して区別されているわけではない。マーストリヒト大学の研究(Weimar, 2024, “LGBTQ+ media representation in the Netherlands”)は、オランダのテレビにおけるLGBTQIA+表象がしばしば単純化されステレオタイプ化された描写に依拠し、集団間および生きられた経験の間の区別を平板化していることを示している。とりわけドラァグのイメージは、その内容との関連性の有無にかかわらず、LGBTQIA+の話題全般を示す一般的な記号として用いられることが多い。

 報告書は、こうしたパターンが必ずしも意図的な編集上の選択を反映しているわけではない(そうである可能性もあるが)ことを強調する。むしろ、時間的制約、アーカイブ素材の入手可能性、画像の利用ライセンス費用、視聴者にとっての読みやすさといった要因に形作られた日常的な制作慣行を反映している可能性が高い。しかし、その累積的な効果として、LGBTQIA+の可視性は特異性よりも認識しやすさを優先する形で構造化され、公共の理解において最も入手しやすい連想と、あまり可視化されないままの経験の形態を規定してしまう。

分析対象コーパスの構成

 報告書が明示する分析対象番組と検索キーワードの構成は次の通りである。

区分内容
データ収集ツールFactRank(字幕・書き起こし・SNSから検証対象claim を自動検出)
分析環境CLARIAH Media Suite(オランダの大規模メディアコレクションを対象とする学術研究環境)
対象期間2024年〜2025年の放送素材
ニュース速報番組NOS Journaal
時事番組Nieuwsuur、EenVandaag
意見志向の時事フォーマットOngehoord Nieuws、PowNed of View
長時間インタビュー番組VPRO Zomergasten
検索キーワード数24(lesbisch、queer、homoseksueel、LHBTI、transgender、non-binairなどを含む)
抽出された主張(claims)数40件(FactRankによる識別)
比較対象BENEDMOのLGBTQIA+関連ファクトチェック・ディープダイブ(61件のファクトチェックを分析、「ゲイ・アジェンダ」が最頻出ナラティブ)

 この一覧が示すように、本報告書は大規模な定量的サーベイではなく、40件の主張を起点とした質的な探索的分析である。報告書自身もこれを「探索的分析(exploratory analysis)」と明記しており、統計的代表性を主張するものではない。その代わりに、報告書の説得力は、放送内容から直接引用された具体的な発言・映像・番組名を丹念に積み重ねる手続きに置かれている。

調査結果のまとめ

 報告書は結論として、LGBTQIA+の論点がどのように「ニュースになる」かについて、相互に関連する複数のパターンを提示する。第一に、アイデンティティは頻繁に広範なカテゴリーへと集約される。第二に、可視性はしばしば紛争・論争・例外的な出来事の周辺に集中する。第三に、編集構造は競合する立場とより広いイデオロギー的ナラティブを通じて報道を組織する。第四に、視覚的選択が反復的な象徴的ショートハンドを通じてこれらの連想を強化しうる。

 これらのパターンが重要なのは、ニュース・時事放送が単に社会的論点がどのように理解されているかを反映するだけでなく、それらを公共的に理解可能なものにすることに参加しているためである。バランスの取れた表象とは、LGBTQIA+の人々や視点が可視化されていることを確保するだけでは足りない。それが構築される文脈・関係性・連想にも注意を払う必要がある。放送局は既存の社会的論点の理解を単に反映するのではなく、素材の選択と提示を通じて、それらの論点がどのように公共的に理解可能になるかを形作ることにも関与している。

アーカイブへの呼びかけ

 報告書の最終節は、放送における表象パターンから、それらを保存するアーカイブの役割へと視点を移す。視聴覚アーカイブは単にメディアを保存するだけでなく、どの画像・ナラティブ・経験が将来にわたってアクセス可能であり続けるかに影響を与える。収集・記述・検索可能性をめぐる意思決定は、何が歴史的記録の中で可視化されるかを決定する上で重要な役割を果たす。オランダのニュース・時事放送で特定されたのと同じフレーミングパターンが、アーカイブの構造の中にも埋め込まれうる。LGBTQIA+コミュニティが主に論争・政治的討論・限られた象徴的画像の瞬間を通じて表象される場合、こうしたパターンは収集・記述・検索可能とされる素材を通じて再生産されるリスクを負う。

 報告書はこれが素材の歴史的価値を否定するものではないと明確に述べる。プライドイベント、活動運動、政治的討論、文化的パフォーマンスはLGBTQIA+史の不可欠な部分である。課題は、こうした形態の可視性だけではLGBTQIA+の生活の幅広さを代表しえない点にある。アーカイブの記録を拡張することは、放送のナラティブの中では可視化されにくい日常性、個人性、経験の多様性への注意を要する。

 具体例として、Netherlands Institute for Sound & Vision(Beeld & Geluid、報告書著者の所属機関でもある)とIHLIA(LGBTIヘリテージを専門とするアーカイブ機関)における「Queering the Collection」イニシアチブが挙げられている。これらは既存の収集慣行を問い直し、欠落を特定し、検索可能性を改善し、過小代表されてきた歴史を前景化することを通じて、アーカイブがこうした課題にどう能動的に応答しうるかを示す。重要なのは、この取り組みが単にコレクションに素材を追加することにとどまらない点である。既存あるいは新規の素材に文脈を提供し、研究者・ジャーナリスト・その他の利用者にとってアクセス可能にすることは、メディア表象がどのように生産・流通・経験されるかについて、LGBTQIA+の論点に関する公共的理解を形作りうる方途を含め、より批判的な理解を可能にする。報告書に掲載された1980年代のプライド関連デモの白黒写真(「JONGE KERK ROERMOND SOLIDAIR MET…」のプラカードを含む)は、Nationaal Archief(オランダ国立公文書館)から提供されたものであり、この節が呼びかける歴史的資料の一例として位置づけられている。

報告書の性格をどう読むか

 本報告書は、GLAADのような当事者アドボカシー団体による報告書とは性格を異にする。BENEDMOはファクトチェッカー・アカデミア・視聴覚アーカイブ機関・公共放送・通信社が参加するEDMOハブであり、報告書自体もLGBTQIA+当事者の権利擁護を目的として書かれたものではなく、放送における表象パターンを記述・分析することを目的とした調査研究として構成されている。方法論的な透明性も高く、FactRankとCLARIAH Media Suiteという具体的なツールと研究環境、24のキーワード、40件の主張という具体的な数値、そして分析対象の6番組の名称が明示されており、報告書中の主張の多くには実際の放送からのスクリーンショットが直接の証拠として付されている。

 同時に、40件の主張・24のキーワードという規模は、報告書自身が「探索的分析」と位置づける通り、統計的な代表性を主張しうる規模ではない。報告書はこの点を誇張することなく、あくまで質的なパターン識別のための基盤として位置づけている。加えて、放送フレーミングの分析と、別途実施されたLGBTQIA+関連ファクトチェック・ディープダイブ(61件のファクトチェックを対象とし「ゲイ・アジェンダ」ナラティブを最頻出と特定)とを並置することで、報告書は主流放送における「アンカー画像なきドリフト画像への依存」と、オンライン上の組織的な偽情報ナラティブとが、異なる生産環境から生じながらも構造的に類似した効果――LGBTQIA+コミュニティを均質化されたカテゴリーとして扱い、紛争や脅威との結びつきを通じて可視化する効果――を持ちうることを示唆している。この比較の妥当性を判断するには、報告書が参照するFactchecking Deep Dive本体(オランダ語版)の方法論を合わせて検討する必要があるが、本報告書単体としては、放送内容の具体的な引用・画像・番組名に基づく検証可能な記述という点で、地に足の着いた実証的貢献を提供していると評価できる。

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