フランス政府、健康偽情報対策の包括戦略を策定――270名への大規模調査が示す構造的脆弱性と9つの勧告

フランス政府、健康偽情報対策の包括戦略を策定――270名への大規模調査が示す構造的脆弱性と9つの勧告 健康

 2026年1月12日、フランス保健省に提出された報告書「2026 HEALTH DISINFORMATION REPORT」が、健康偽情報対策の新たな政策枠組みを提示した。執筆者はボルドー大学薬理学教授Mathieu MOLIMARD、INSERM疫学研究者Dominique COSTAGLIOLA、医学雑誌編集者Hervé MAISONNEUVEの3名。2025年8月にYannick NEUDER保健大臣から委託されたこのミッションは、フランスにおける健康情報の脆弱性を体系的に分析し、教育、訓練、情報、検出、制裁、研究の6つの柱からなる国家戦略を勧告している。

 報告書の背景には、COVID-19パンデミック以降に顕在化した健康偽情報の急増がある。ワクチン忌避、未承認治療の推奨、代替医療への誘導など、科学的根拠を欠く情報が医療システムの存立基盤を揺るがし、かつて根絶されたと考えられていた疾患の復活、乳児死亡率の上昇、平均寿命の低下を招いている。フランス政府はこの現象を民主主義への脅威と位置づけ、構造的対応の必要性を認識した。本報告書はその第一歩として、現状診断と具体的施策を提示している。

調査の規模と方法論――270名の関係者と800ページの記録

 本ミッションは2025年8月末から11月末にかけて実施され、156回のインタビューを通じて270名の関係者から証言を収集した。対象は保健機関、ジャーナリスト、メディア企業、医療専門家、科学者、デジタルプラットフォーム企業、政党代表、市民社会組織、学術機関など多岐にわたる。これらのインタビューから800ページを超える記録が生成され、参加者の自由な発言を保証するため、すべての証言は匿名化された。

 調査にはGDPR準拠のAI(Upmeet)で記録・レポート化、ChatGPT-5とPerplexity Proで文書作成・要約支援、DeepLで翻訳支援を行い、方法論の透明性を確保した。注目すべきは、接触した4つの政党が回答を拒否し、デジタルプラットフォームではX(旧Twitter)が唯一、明示的にインタビューを拒否したことである。

構造的診断――3つの脆弱性と非対称性の問題

 報告書が提示する最も重要な知見は、フランス社会が健康偽情報に対して構造的に脆弱であるという診断である。

科学・健康リテラシーの不足

 インタビュー対象者全員が、市民の批判的思考能力の欠如を最大の脆弱要因として指摘した。事実と意見の区別、エビデンスレベルの理解、科学的方法論の把握といった基礎的能力が欠けている。科学は固定された真実の集合ではなく、不確実性を内包したプロセスであるという理解が浸透していない。COVID-19パンデミック時に見られた勧告の変更は、科学的知見の更新として正常なプロセスであるにもかかわらず、矛盾や操作として受け止められた。

情報源評価能力の欠如

 即座にオンライン情報にアクセスできる環境が、「情報を検索できること」と「情報を評価できること」の混同を生んでいる。確証バイアスが働き、自身の信念に合致する情報を優先的に選択する傾向が強まっている。国立青年・民衆教育研究所が実施した15-30歳4,500名への調査によれば、この年齢層の53%がソーシャルメディアを主要情報源としており、Instagram、TikTok、YouTubeでコンテンツがフィルタリングされず、アルゴリズムが感情と即時反応を優先して配信する。

 ジャーナリスト自身も科学訓練の不足を認めている。科学ジャーナリストは少数で、健康セクションは資源不足、ファクトチェックは拡散後の事後対応に留まっている。

デジタル化による情報環境の混乱と非対称性

 科学出版システムも圧力下にある。OECD諸国の研究者が年間に発表する論文数は、2005年の0.9本から2021年には1.6本へと増加した。量的インフレが質的評価を歪め、低品質ジャーナルや略奪的ジャーナルが増殖している。フランスのSIGAPSシステムは、出版数に応じて医療機関への資金配分と大学病院職員の昇進を決定するため、量的生産への圧力を制度的に強化している。これに対抗して、医学部長会議と国家大学評議会健康部門は、3,500の推奨科学ジャーナルのポジティブリストを作成し、年4回更新している。

 報告書が強調する深刻な問題は非対称性である。科学的事実を擁護する科学者と医療従事者は、ハラスメント、私生活での追跡、威嚇訴訟の標的となる一方、偽情報発信者はほとんど処罰されない。偽情報から得られる金銭的利益が、さらなる害悪の拡大能力を増幅させる構造が固定化している。

偽情報の生態系――主題、発信者、動機

主要テーマと産業戦略

 健康偽情報は複数のテーマに集中している。ワクチンに関しては、毒性、無効性、市民監視計画(チップ、5G、人口削減)といった広範な非難が展開され、実際のまたは想定される副作用が不均衡に強調される。非従来型治療法(PSNC)については、極端な食事法、長期断食、根拠のないサプリメント推奨が行われ、大学や病院への浸透により制度的ラベル効果を生んでいる。

 食品産業ロビーの戦略は十分に文書化されており、誤解を招く宣伝、資金提供された偏向研究、低品質ジャーナルの利用により、Nutri-Scoreのような公衆衛生ツールへの攻撃が展開される。女性の健康では、子宮内膜症やインプラントなど特定の女性疾患に関する研究と専門知識の不足が、偽情報にとって特に肥沃な土壌を形成している。この情報真空は、疑似科学的説明と診断を提供するアクターによって悪用され、患者の懸念に耳を傾けると約束することで信頼を獲得し、実証済み治療から遠ざける結果を生む。

発信者の類型と動機

 偽情報の発信者は複数のカテゴリーに分類される:

  • 偽専門家とインフルエンサー:短形式とソーシャルメディアを活用して扇情的メッセージを拡散。デジタルコードを巧みに操り、根拠のない高度に拡散性の高いメッセージを作成し、逸話、制度批判、単純な解決策の約束を混合させる。
  • 陰謀論グループ:反ワクチン運動、過激派運動、セクト団体。高度に組織化され、コミュニティや寄付によって資金提供を受け、強力な動員能力を持ち、専門家へのハラスメントや威嚇訴訟も辞さない。
  • 白衣効果を悪用する科学者・医療専門家:その地位や名声ある肩書きが人工的に高い信頼性を付与する。しばしば自身の専門分野外で誤解を招くメッセージを中継し、可視性を得るために未実証の治療を推進することがあり、多くの場合ビジネスモデル(相談、訓練、製品販売)に支えられている。
  • 産業界とロビー団体:タバコ、アルコール、食品産業、特定の健康製品セクターで文書化された戦略。疑念を創出し、研究を悪用し、データを操作し、低品質ジャーナルに出版する。偽NGO、シンクタンク、オピニオンリーダー、操作する患者団体に資金提供する。
  • デジタルプラットフォーム:アルゴリズムが最も信頼性の高いコンテンツではなく最も魅力的なコンテンツを優先することで、分極化と拡散性を促進する。偽情報は感情操作に大きく依存して注意を捕捉する。人的モデレーションの減少により状況は悪化している。

 動機は多様である。経済的動機では、製品販売、訓練コース、サプリメント、オンラインコンテンツの収益化、有料影響、視聴者と広告収入の追求が中心的である。イデオロギー、宗教、政治的動機では、一部のアクターは確信から、または政治的大義を支援するためにメッセージを拡散する。外国干渉は、不安定化、社会的分極化、制度の信用失墜を目的とした文書化された戦略である。

Info-Score Santé――Nutri-Scoreモデルの健康情報への適用

 報告書が提案する最も具体的な施策の一つが、Info-Score Santéの開発と展開である。これは食品分野で成功を収めたNutri-Scoreモデルを健康情報源の評価に適用したもので、A(優秀)からE(不良)までの5段階で情報源の編集品質を評価する。重要なのは、これが検閲ツールではないという点である。表示は任意であり、意見や内容に判断を下すものではなく、情報源の信頼性を客観的に示す指標を提供する。

評価基準とスコアリング

 評価は公開・透明・再現可能な基準に基づく操作的グリッドに従って実施される。

ポジティブ基準

  • 利益相反の透明性(0-10点):包括的宣言、容易なアクセス、利益相反管理の形式化された方針で10点
  • 科学的検証(0-10点):識別された独立した科学諮問委員会の存在、センシティブコンテンツの体系的レビュー、検証の文書化された追跡可能性で10点
  • 情報源の品質(0-10点):参照が体系的に示され、推奨ジャーナルリストに掲載されたジャーナルまたは制度的情報源(ANSM、ANSES、HAS、INCa、WHO等)からの引用が70%以上で10点
  • 更新(0-5点):少なくとも年次改訂方針、作成日と改訂日の明示で5点
  • 誤り訂正(0-5点):正誤表の公開登録、訂正に日付と関連コンテンツからのアクセスで5点

ネガティブ基準(ペナルティ)

  • 産業資金が組織の総予算の20%を超える場合:-10点
  • 主要メディアで健康製品、治療、非従来型実践の広告を掲載:-10点
  • 寄付要請がコンテンツに直接関連:-5点
  • 主張の大部分が参照されていない:-10点
  • 推奨リストに掲載されていないジャーナルからの引用が15%を超える:-10点
  • コンテンツに日付がなく訂正方針が形式化されていない:-5点

5段階分類と目的

 総合スコアはポジティブポイントとネガティブペナルティの合計であり、以下のように分類される:

  • A(+25~+40点):優秀――非常に高品質な情報、模範的な透明性とガバナンス
  • B(+10~+20点):良好――一般的に信頼できる情報、改善の余地あり
  • C(0~+9点):許容――平均的品質、注意して閲読
  • D(-1~-10点):不良――重大な欠陥、不正確または偏向した情報の高リスク
  • E(-15~-50点):不合格――偽情報の重大リスク、十分な編集保証の欠如

 この評価システムの目的は、市民に情報源の質に関する明確な参照点を提供すること、関係者に編集上の厳格性向上を促すこと、信頼できる情報源の識別を促進すること、そしてインフォデミックを助長する可能性のある情報源を特定することである。

健康情報観測所とインフォビジランスシステム

 報告書が提案する第二の主要施策は、健康情報観測所の創設である。これはフランスにおける信頼できる健康情報への公的アクセスポイントとなることを目指す。

科学諮問委員会と専門家ディレクトリ

 科学諮問委員会は、Info-Score Santéの原則に基づいて信頼できる情報源のリストを統合・審査する責任を負う。情報源には保健機関(HAS、ANSM、Santé publique France、ANSES、INCa等)、医療機関、国家研究機関、大学、学会、教員団体、アカデミー、認定ユーザー団体、専門ファクトチェック機関、関連する国際資源が含まれる。

 諮問委員会は、コミュニケーション能力を持つボランティア科学専門家のディレクトリを監督し、信頼できると認識された情報源によって提案される。専門家の利益相反管理を考慮に入れ、各専門家の専門分野を特徴づけるキーワードリストを検証する。このディレクトリは、ジャーナリストが認証された応答性のある有能な連絡先にアクセスすることを容易にする。

Santé.frポータルと対話型AI

 Santé.frポータルの全面的なグラフィックおよび機能的再設計が計画されている。観測所が提供する機能は以下の通り:

  • Santé.frの全面刷新:より直感的なインターフェース、対話型検索エンジン、簡素化されたコンテンツアーキテクチャ、強化されたアクセシビリティ(読みやすく理解しやすい形式、ビデオ形式、インフォグラフィック)
  • 対話型生成AI:管理されたコーパスに基づく検索可能な生成的対話型AIを提供。商業的汎用AIとは対照的に、迅速で個別化された追跡可能で常に情報源が示された応答、言語レベルの差別化(一般市民/専門家)、使用された参照の完全な透明性、継続的更新、現行規制の枠組み内での医療専門家向け意思決定支援を提供する
  • 専門家ディレクトリ:利益相反管理と専門性キーワードによる検索機能
  • 健康教育モジュール:公衆衛生ニーズ、特に危機状況に適応した訓練コース
  • コンテンツのアーカイブ:履歴の保存と追跡可能性

 観測所の信頼性を確保するため、Haute Autorité de Santé(HAS)のような独立機関によって支援され、産業界から完全に独立した持続可能な公的資金を持ち、広告やスポンサーシップなしで運営される必要がある。科学諮問委員会のメンバーは医療産業との利益相反を持たず、その利益を申告・管理しなければならない。

インフォビジランス――3段階の対応システム

 健康情報観測所の構造内に、インフォビジランスシステムが開発される。その目的は、識別、検証、情報提供の3段階プロセスを通じて新たな健康偽情報事例に対応することである:

  • 識別:国家報告ポータルに報告モジュールを統合し、健康に影響を及ぼす可能性のある観察された誤情報を報告可能にする。保健機関、学会、プラットフォーム、地域保健局からのアラートと分析を収集。健康セクターをViginumの権限に含め、外国デジタル干渉の識別に関与させる。影響力のあるアカウントの追跡、弱いシグナルの分析、疑わしいコンテンツの自動検出を含む監視システムを設置。新興の物語を継続的にマッピングし、誤解を招く危険な物語の拡散を予測する
  • 検証:検出された各シグナルの信頼性、潜在的拡散性、公衆衛生へのリスクを評価。対応(情報提供、制度的、規制的)を導くための構造化された文書化された分析を作成する
  • 情報提供:適切な対応手順を定義。単純な明確化、制度的明確化、専門家の動員、先制的コミュニケーションなど段階的対応を設定。関係者(省庁と機関、医療専門家と科学者、地域医療専門家コミュニティ、健康促進連盟、ユーザー団体、地方自治体、国家教育システム等)間のコミュニケーションを調整・促進。ソーシャルメディアとプラットフォームでの存在を通じて、視聴者が情報を得る場所でリーチ。適切な場合、行政的または法的対応を開始する

リスクの逆転――偽情報発信者への処罰と科学者の保護

現状の非対称性と既存法規の執行

 報告書が最も強調する問題の一つが、現在の深刻な非対称性である。科学的事実を提示する医師と科学者は懲戒または司法機関で訴追される一方、偽情報を拡散する者はほとんど訴追または処罰されない。科学専門家と内部告発者への威嚇は、威嚇訴訟やソーシャルメディアでの脅迫の形で、一部の人々を減らしたり沈黙させたりする恐怖の雰囲気を作り出している。

 健康偽情報対策の法的枠組みは存在するが、刑法、民法、消費者法、公衆衛生法に断片化されている。一般市民に対しては、刑法(罰金、執行猶予付き判決、他者の生命を危険にさらす場合の禁固刑、違法行為、ハラスメント、公衆衛生に危険な虚偽情報の拡散)、民法(被った損害に対する賠償責任)、行政罰が適用可能である。インフルエンサーに対しては、2023年6月9日法が2024年12月の命令改正により適用可能となり、非治療的製品の促進、ニコチン製品の促進、人間の健康にリスクをもたらす美容手順の促進を禁止している。科学者と医療専門家に対しては、倫理規範と懲戒手続き、公的表現に関する憲章があり、警告、登録抹消、開業禁止、叱責、停職、訴追、金銭的罰則が含まれる。

 しかし、これらの罰則は市民と専門家の双方にほとんど知られておらず、めったに執行されない。認識される不処罰が健康偽情報分野における偽情報発信者の信頼性を強化している。

科学者保護の具体策

 報告書は、新たな犯罪創設よりも既存法規の執行を優先するよう勧告している:

  • 既存法規の厳格な執行:公衆衛生法に規定された詐欺行為、医療専門職の違法行為、セクト的濫用に対する罰則は体系的に適用されなければならない。公的表現憲章に違反する科学者に対する専門機関と研究機関の懲戒権限も同様である
  • 制裁の公開:適用された制裁を公開して他者を抑止する
  • ハラスメント団体の監視:ハラスメントキャンペーンを組織する団体を監視する
  • メディアとソーシャルネットワークの規制強化
  • 機能的保護の体系的適用:職務に関連して脅迫または攻撃される公務員を保護する行政の義務である機能的保護を体系的に適用する
  • 科学防衛組織の創設:攻撃の被害者である科学者と医療従事者に支援を提供し偽情報発信者に対する法的措置に資金を提供する科学防衛のための恒久的構造を創設する
  • JDHUの改革:大学病院教員懲戒管轄は、2022年5月の会計監査院フラッシュ監査が、ほとんど知られておらず、アクセスが困難で、非効率的で、不透明でさえあり、不合理な遅延の対象となっていると指摘している。改善が必要である

PEPRによる研究優先課題化とインフォデミオロジーの確立

 フランスにおけるインフォデミオロジー研究は断片化されているが、ANRS-MIE(流行状況におけるインフォデミックと情報フローに関する協調行動)のようなイニシアティブが存在する。報告書は、インフォデミオロジーを優先研究プログラム(PEPR:Programme et Équipement Prioritaire de Recherche)の対象とすることを勧告している。

 このPEPRは、物語とアルゴリズムメカニズム、健康偽情報の生産者と消費者の多次元的アプローチ、科学的コミュニケーションの有効性評価、健康トピックと特定集団のケーススタディ、健康情報訂正のガバナンス・調整・構造的側面、偽情報の経済評価と健康影響、批判的思考教育と訓練の評価、偽情報対策における技術革新と採用条件といったテーマに焦点を当てる。このプログラムは、多分野形式と多方法論的アプローチを優先する。

 また、国際協力を強化するため、この分野を研究公募に統合するよう欧州当局にロビー活動を行うことも勧告されている。さらに、2016年5月25日の政令を改正し、博士課程にインフォデミオロジー訓練を追加することも提案されている。

その他の主要勧告――教育、訓練、機関計画、欧州レベル

教育――批判的思考の生涯プログラム

 幼少期から生涯にわたる批判的思考、科学、健康、メディアリテラシーの継続的プログラムの確立と評価が勧告されている。これには、批判的思考教育の開発(学校と課外活動における横断的アプローチ、早期からの事実と意見の区別、情報源検証・画像と動画分析・デジタル拡散性の理解への訓練)、共通の科学文化の開発(科学的方法・エビデンスの論理・不確実性の概念を教育に明示的に統合)、市民の健康文化の醸成(危機時を含む保健における公的意思決定プロセスの透明化、複数省庁間の調整)、健康に適用されたメディア教育の強化が含まれる。

訓練――専門家の能力強化

 以下の訓練強化が勧告されている:

  • 医療専門家:科学的方法論、批判的分析、エビデンスに基づくコミュニケーション、虚偽情報の論破、デジタル存在の管理に関する訓練を初期教育と継続教育プログラムに統合。医療専門家訓練コースに必須の「インフォデミオロジー」モジュールを導入
  • ジャーナリスト:健康情報の特殊性、科学的方法・統計原則・論文の批判的読解、専門家の利益相反検証に関する最低限の基礎をジャーナリストの初期訓練に含める。デジタルツールとオンライン情報文化の訓練
  • 公務員と選出議員:偽情報と危機コミュニケーションに関する訓練
  • 博士課程:インフォデミオロジー訓練の必修化
  • PSNC認定禁止:高等教育機関は、未検証の非従来型治療実践に学術的正当性(訓練、学位、セミナー等)を付与してはならない。これにより誤解を招くラベルを市民の目に与えることになる。すべての訓練内容は確立されたエビデンス、厳密な評価、明示的な品質管理に基づかなければならない

機関計画の義務化

 すべての機関(省庁、大学、国家研究機関、医療機関、アカデミー、学会、医療に関与する団体と組織)に、自身の情報・偽情報防止計画を実施・公表することで動員する。この計画には、機関の野心と優先事項の明確な指定、情報生産と拡散実践に関する定期的内省の組織化、利益相反管理と検証チャネルを含むコミュニケーション規則の定義、実施された行動と達成された結果に関する定期的報告が含まれるべきである。

欧州レベルでの行動

 デジタルプラットフォームは現在、アルゴリズムを通じて編集方針を持つ真のメディアプレーヤーとして機能しており、単なるコンテンツホストではなくなっている。欧州レベルで規制を再考する必要がある。この点は現在の欧州デジタルサービス法(DSA)ではカバーされていない。また、国際協力を強化するため、研究公募にインフォデミオロジーを含めることを促進するよう欧州当局にロビー活動を行うことも勧告されている。

結論――民主主義への脅威としての健康偽情報と欧州への射程

 本報告書は、フランス政府が健康偽情報を民主主義への脅威として認識し、体系的対応に着手したことを示している。教育、訓練、情報、検出、制裁、研究という6つの柱に基づく統合戦略は、単一の施策では対処できない構造的問題への包括的アプローチを提供する。

 特に注目すべきは、Info-Score Santéとインフォビジランスシステムという2つの具体的メカニズムの提案である。前者は市民に情報源の品質を判断する手段を提供し、後者は新興の偽情報に迅速に対応する体制を構築する。これらは、偽情報への事後対応から予防と早期対応への転換を可能にする。リスクの逆転という概念も重要である。現在、科学的事実を擁護する者が攻撃され、偽情報発信者が免責される非対称性を逆転させることは、健康情報エコシステムの持続可能性にとって不可欠である。

 報告書の射程はフランス国内に留まらない。欧州レベルでのプラットフォーム規制再考と研究協力強化の勧告は、健康偽情報が国境を越えた現象であることを認識している。270名への大規模調査、800ページの記録、AIを活用した透明な方法論は、この報告書に高い信頼性を付与している。政府公式ミッションとしての位置づけは、提案された施策が実際の政策として展開される可能性を示唆する。フランスの取り組みは、健康偽情報対策における国際的なベンチマークとなりうる。

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