2025-09

情報操作

コソボで偽情報が民族間対立を固定化する仕組み

旧ユーゴスラビア紛争の余波を今も抱えるコソボ。2008年に独立を宣言したが、セルビアやロシアはこれを承認せず、国連加盟も果たしていない。北部にはセルビア人住民がまとまって暮らし、首都プリシュティナを拠点とするアルバニア系多数派政府と対立が続...
ファクトチェック

DSA下の行動規範とプラットフォームの後退 —— EFCSNが描く「失望の現状」

2025年7月、EUデジタルサービス法(DSA)の下で「偽情報コード・オブ・プラクティス」が正式に「行動規範」となった。だがEuropean Fact-Checking Standards Network(EFCSN)の最新報告は、GoogleやMicrosoftの後退、TikTokの不透明性、Metaの将来不安を指摘し、制度の形骸化を警告する。ファクトチェッカーの立場から見た各社の姿勢と数字を具体的に追う。
偽情報対策全般

オーストラリア自主規範第4回報告──プラットフォームの偽情報対策を具体的にたどる

2025年8月に公表されたオーストラリア通信メディア庁(ACMA)の第4回報告は、偽情報・誤情報への自主規範の実態を示している。ルーマニア選挙無効化や英国での暴動、豪州サイクロン陰謀論といった具体事例、ファクトチェック縮小とAIコンテンツ表示強化、削除減少と広告規制増加、メディアリテラシー投資、そして自主規範の課題までを整理する。
民主主義

アメリカ法曹協会タスクフォース報告書に見る「偽情報」対策の具体像

アメリカ法曹協会の2025年報告書は民主主義の危機を分析し、偽情報への具体的対策を提示。AI規制、州法の開示義務、サイバー防御、裁判制度改革まで三層で封じ込める処方箋を描く。
情報操作

EU戦略的先見レポート2025に見る偽情報の位置づけ

欧州委員会「戦略的先見レポート2025」は偽情報を気候危機や安全保障と同列の脅威に位置づけた。民主主義と社会のレジリエンスを揺るがす要因としてEUがどう認識を変えたかを紹介する。
言論の自由

フランスが築いた「検閲産業複合体」――歴史と現在の制度的構造

フランスは数世紀にわたり法制度とNGOを通じて「検閲産業複合体」を築いてきた。Twitter Filesに示された国家・司法・NGOの連携は、EUのデジタル規制の原型を照らし出す。
ファクトチェック

偽造KGB文書とジャーナリスト攻撃:ビアンキン報告の紹介

カナダで拡散した「KGB文書」を検証した報告書は、1990年付の文書に1993年のフォントが使われるなど偽造の痕跡を示した。スパイ疑惑が情報操作の道具になる構造を浮き彫りにする。
偽情報対策全般

偽情報とナラティブ操作をめぐる二つの現場:フィリピンと中国

Pacific Forum の報告書Issues & Insights Vol.25, SR3の第2部を紹介。フィリピンの規制と自由、中国メディアの語調操作という具体的事例を通じて、偽情報とナラティブ操作の現実を描く。
情報操作

モルドバ選挙をめぐるロシアの影響工作——Insikt Groupレポートを読み解く

2025年モルドバ議会選挙を前に、Recorded FutureのInsikt Groupが明らかにしたロシアの影響工作を紹介。偽ニュースやディープフェイク、AIアバターのTikTok動画、数千の幽霊Facebookページ、国営メディアが後押しするテレビ局、自動記事集約サイトまで、多層的な仕掛けがどのように展開されているかを具体例とともに解説する。
民主主義

ブリティッシュコロンビア州選挙に見る情報エコシステムの脆弱性

2024年ブリティッシュコロンビア州選挙を対象にした情報エコシステム調査を紹介。SNSごとの分極化、医療・治安・気候をめぐる偽情報の拡散、選挙後に噴出した「不正選挙」論や外国干渉疑惑の常態化などを具体例とともに解説し、選挙制度の信頼と情報環境の脆弱性を浮き彫りにする。