収益化制度が養うAI政治クリックベイト産業:Reset Tech「Monetized Slopaganda」が追跡した6,601アカウント

収益化制度が養うAI政治クリックベイト産業:Reset Tech「Monetized Slopaganda」が追跡した6,601アカウント AI

 英国やドイツの有権者に向けたAI生成の政治クリックベイトを、パキスタン、ベトナム、スリランカの事業者やフリーランサーが量産し、YouTube、Facebook、TikTokの収益化制度がそれに報酬を支払っている。この構造を8か月間のアカウント追跡で実証しようとしたのが、Reset Techが2026年9月9日に公開した報告書「Monetized Slopaganda」である。執筆者は同団体のオープンソース・インテリジェンス(OSINT)主任研究員Aleksandra Atanasova。Reset Techは子ども・消費者・公共の安全を守るテクノロジーを提唱する公共政策組織で、英国、欧州、カナダ、米国で活動しており、報告書も収益化に広告並みの透明性義務を課す規制提言で締めくくられる。プラットフォームに批判的な提言団体の文書として読む必要がある。分析対象は2025年9月から2026年5月に収集したYouTube 1,703チャンネル、Facebook 4,642ページ・グループ、TikTok 256アカウントの計6,601アカウントで、合計フォロワー1億130万、投稿・動画96.2万件、閲覧40億回超、エンゲージメント5億330万件に及ぶ。

「スロパガンダ」の定義と収益化制度

 鍵語「スロパガンダ」(slopaganda)は、量産型の低品質生成AIコンテンツを指す「スロップ」とプロパガンダの合成語である。Reset Techはこれを包括用語として使いつつ、観察された事例の多くは政治目的でも敵対国家の指示でもなく、標的から文化的・地理的に遠い金銭目的の行為者によるものだと明記する。要因は二つで、収益化制度が高エンゲージメントを促し、扇情的・党派的な政治コンテンツがその最も効率のよいニッチになること、そしてAIツールによって言語も政治文脈も知らない国を標的にできることである。先行事例として、カナダ連邦選挙周辺のAI偽ニュースチャンネルを報じたDFRLab、反移民AIコンテンツで30万ドルを稼いだと主張するスリランカのインフルエンサーを報じた英国のBureau of Investigative Journalismの調査、反労働党のTikTokコンテンツファームを追ったNewsGuard、暴動AI動画網のMaldita.es、ドイツ語の有害AIコンテンツで最大1万5,000ユーロの収入を確認したGlobal Disinformation Index、英国向けイスラム嫌悪投稿で月1,500ドルを得るパキスタン人を取材したGuardianなどが並ぶ。

 ここでいう「収益化」は、広告収益分配やボーナスなどプラットフォーム資金の制度と、投げ銭や有料購読などのファン課金機能の両方を含む。

項目YouTubeFacebookTikTok
主な制度YouTubeパートナープログラム(YPP、2段階)コンテンツ収益化プログラム(招待制)Creator Rewards Program、TikTok Pulse
参加基準第1段階:登録者500人、年間視聴3,000時間またはショート300万回/第2段階:登録者1,000人、年間視聴4,000時間またはショート1,000万回招待制フォロワー1万人・閲覧10万回、対象動画はおすすめフィードで1,000回超
配分広告純収入の55%がクリエイタースター1個につき1セント購読料の30%を手数料として徴収
収益化アカウントの公開非公開パートナー・パブリッシャー一覧を日次公開(毎日上書き)非公開。ファン課金表示はモバイルアプリのみ

 EUのデジタルサービス法(DSA)は超大規模プラットフォームのリスク評価に収益化を含めているが、オランダの非営利組織WHAT TO FIXの分析では、リスク評価報告書における収益化リスクの記述はほぼ皆無だった。報告書はこれを政策上の空白として位置づける。

共通の手口:「合成ジャーナリズム」と政治クリックベイト

 第一の手口は、報道機関の偽装、AIアバターによる架空の専門家、実在記者のディープフェイクや音声クローンを組み合わせたメディア・ブランディングで、報告書はこれを「合成ジャーナリズム」と呼ぶ。報道機関を装う比率はYouTubeで79%(1,343チャンネル)、TikTokで53%(135アカウント)、Facebookで19%(641ページ)だった。報告書は、ロイター研究所のDigital News Report 2026がSNS・動画プラットフォームが初めてテレビと報道機関サイトを上回ったと記録したことを背景に置き、Doppelganger、Storm-1516、Operation Overloadといったロシア系作戦の偽メディア手法と並ぶ汚染源として扱う。第二の手口は政治家を主人公にした扇情的な物語で、反ムスリム、反移民、反政府という標的国の極右政党の議題と重なる主題に集中する。ディープフェイクで系統的に偽装された人物は30か国290人で、政治家213人、著名人など57人、記者20人である。

指標YouTubeFacebookTikTok
収益化第2段階の基準を満たす推計39%(665)、ファン課金で確認5.3%(90)収益化履歴あり13.4%(451)確認できた110件中7件(全体の2.7%)
削除率38%(2026年4月時点)ネットワーク別に3.1〜8%39%
AIラベル新方式導入後もディープフェイク1,630本中93.5%が無表示ネットワーク別に0〜36%のページで表示投稿の8.5%

YouTube:1,703チャンネルと「1 MINUTE AGO」の文法

 YouTubeの1,703チャンネルは75%が2025〜26年に作成され、登録者計1,220万、252,146本の動画で25.7億回の閲覧を得た。収集はプラットフォーム内検索で反復フレーズを追う方法による。英国向け136チャンネルは7種類の定型の紹介文を使い回し、「your trusted source for the latest news from across the U.K.」型だけで33チャンネルに一字一句同じ形で現れる。タイトル冒頭の「1 MINUTE AGO: Starmer」で101チャンネル、ドイツ語の「Eilmeldung」(速報)や「vor 1 min」で203チャンネルが見つかった。人間の声を使うブロガーは除外している。「British Pulse」「Britain Today」のように地名と報道用語を組み合わせた名前が250チャンネルにあり、2018年以前に作成された111チャンネルのうち約20は10年以上の休眠を経て2025年第4四半期に突然再稼働した。

 収益化は二段階で推計された。まず、Science Feedbackが主導したSecond Measurement of the State of Online Disinformation in Europe on Very Large Online Platformsの式(年間閲覧数×動画長÷2)で視聴時間を見積もり、665チャンネル(39%)が第2段階の基準を満たすとした。そのうちYouTubeが削除したのは305である。次に全チャンネルを目視で確認し、有料メンバーシップの「Join」ボタンや投げ銭機能「Super Thanks」を有効化した90チャンネルを収益化済みと判定した。90のうち削除は12にとどまり、すべて架空の報道機関を名乗っていた。例外はCNNとほぼ同じロゴの「ENN News」だけである。

 ナラティブ分析では、ドイツ語61,789本の43%が政治家か政党に言及し、Friedrich Merzが11,367本(18.4%)で最多だった。併用語は「負ける」427本、「破壊された」369本、「崩壊」361本、「辞任」320本である。AfD党首Alice Weidelは6,390本に登場し、うち2,290本でMerzを打ち負かす側に置かれる。EU、ブリュッセル、von der Leyenへの言及は6,615本(10%)で、EU崩壊の物語が繰り返される。英国向け42,867本では「前首相」Keir Starmerの名前が24,494本(57%)に現れ、「衝撃」5,170本、「暴露」3,608本、「屈辱」2,073本が並ぶ。Nigel Farageは2,662本でStarmerを「破壊する」側に置かれ、王室関連の4,954本ではゴシップと政治ニュースが混在する。

 制作は、議会や記者会見の実映像にAIアバターやディープフェイクを組み合わせ、ElevenLabsの合成音声でナレーションをつけるハイブリッド形式が主流である。透かしや自己申告から180超のチャンネルでCapCut、Canva、InVideo AI、HeyGen、Synthesiaの使用が特定された。説明欄に「ChatGPT said:」がそのまま貼り込まれた例もある。8か月の間に完全AI生成への移行が進み、2026年2〜4月には45チャンネルがディープフェイク専門に切り替わった。128,665件の固有タイトルの20%が感情的な大文字の書き出しで始まる。

書き出し各言語の同等語固有タイトル数
BREAKING / URGENTBreaking, Eilmeldung, Urgente, Срочно, Pilne10,408
SHOCKShock, Schock, Choc, Impactante2,851
SCANDALScandal, Skandal, Escándalo, Scandale1,447
BOMBSHELL / BOMBBombshell, Bombazo, Bomba, Bombe528
PANICPanic, Panik, Pánico, Panique, Паника291

 摘発を避ける工夫も記録されている。パキスタンから運営されYPPで収益化されていた「Britain Report OFF」では、AIアバターがCanvaによるサムネイル制作手順を解説しており、報告書はこれをYouTube向けの「透明性シグナル」と解釈する。176チャンネルが「教育・情報目的」や風刺といった免責文を同一の文言で使い回していた。AI生成の書斎や国旗、YouTubeの銀の盾を模した画像も権威づけに使われている。

YouTubeの運営者:Fiverrの個人からカザフスタンの112チャンネルまで

 登録メールアドレス130件のうち86件は無効だった。有効な44件の所在はパキスタン16、ドイツ10、ベトナム5、カメルーン3、バングラデシュ2、オーストリア2、ほか6か国が各1で、15件はフリーランス仲介サイトFiverrを通じてパキスタンのデジタルマーケターや映像制作者につながった。報告書は個人の特定を目的とせず、YPPがこうした業者に誘因を与える構造そのものを問題とする。組織的な網は三つ詳述される。オーストリアのマーケティング専門家に紐づく「Union Watch」は6言語の同一ブランド6チャンネルで欧州懐疑論を流し、3か月で登録者26,700人、閲覧390万回を得た。2026年3月に英語版が削除されると、運営者は他のチャンネルから政治動画を消して改名した。2025年8月に一斉に立ち上がった112チャンネルの網は、申告所在地からカザフスタンのロシア語話者の運営と推定される。欧州6か国と英語・ロシア語圏にクレムリン寄りのナラティブを流して4,600万回超の閲覧を得たのち、10月に投稿を止めた。説明欄には「どこから見ているか、都市と国を教えてください」というロシア語の呼びかけが数千本に残る。削除は25チャンネル(22%)だけで、ほぼ同一内容のフランス語チャンネルのうち一方だけが削除される不整合もあった。ベトナム拠点の17チャンネルは「Pulso España」「Geopolitik Europa」などを名乗り、ベトナム語の元ハンドル名が所在を示している。2026年5月までの削除は9にとどまった。

Facebook:収益化に適応した三つの協調的不正行為ネットワーク

 Facebookでは2025年11月から2026年5月に3,362ページ、1,280グループ、約68万投稿を収集し、合計フォロワー8,600万、エンゲージメント3億5,080万件、動画閲覧9億300万回を確認した。ここでは投稿へのエンゲージメントが最適化の対象で、絵文字投票による反応の誘導と、Metaが収益化で優遇する短尺動画リールが多用される。報告書は三つの網がMetaの協調的不正行為(CIB)と不正行為(IB)の方針に反すると論じる。根拠は相互フォローや共同投稿による協調、偽りの身元、そして運営者が標的国の外にいることである。

指標パキスタン・米国網スリランカ網ベトナム網模倣ページ
ページ数2571,864(グループ1,259)1,110131
フォロワー510万590万6,670万830万
分析投稿数61,835544,51073,400―
エンゲージメント2,720万2億9,000万3,360万―
収益化ページ137(53%)183(9.8%)68(6%)63(48%)
AIラベルのあるページなし681(36%)なし28(21%)
削除ページ11(4%)58(3.1%)89(8%)7(5%)

 Metaは収益化パートナー一覧を公開する唯一の大手だが、一覧は毎日上書きされるため、検証にはWHAT TO FIXの公開アーカイブが使われた。投げ銭機能「スター」はiPhone版アプリでしか表示されない。Metaは宗教や移民など「議論のある社会問題」を収益化の対象外とし、大量の相互投稿や反応の誘導も禁じているが、三つの網すべてに収益化ページがあった。「AI info」ラベルはモバイルではユーザー名の下の小さな文字で、2026年5月までデスクトップでは投稿上に表示されなかった。数万点の画像・動画にGoogle Geminiの透かしがあったが、プラットフォームによるラベルはごく少数だった。

事例1:パキスタン発、ドイツ語圏向けの親AfDネットワーク

 パキスタンと米国から運営される257ページは、反ムスリム、反移民、郷愁を軸にAfDへの支持やウクライナ支援の停止を訴える。200超のページがページ共同投稿機能で同一投稿を2ページ同時に掲載しており、共同著者関係をたどるだけで網の大半を特定できた。2025年12月の45ページから毎月追加され、2026年4月には月25,000投稿と1月の最大80倍に達した。61,835投稿の主題は移民・ムスリムが22%、ウクライナが11%を占める。画像はGemini、長文のドイツ語本文はChatGPTで生成され、29%が完全な重複である。主戦術は「賛成なら『いいね』、反対なら『超いいね』」と反応で投票させる二択形式で、ブルカや公共の場での礼拝を題材に、明示的な憎悪表現を避けながら「開かれた議論」を装ってムスリムを排除の対象として描く。運営者特定の決め手は、ChatGPTの出力を貼り間違えた520投稿である。「OK, Irfan」で始まりウルドゥー語で「もっと感情的にもできます」と続く応答や、「兄弟、この画像に合わせて13行の段落を書いて」というプロンプトが残っていた。ページ透明性欄にはパキスタン企業の名もあった。報告書はさらに、「MerzとZelenskyyがウクライナ国旗を持ち、怒る群衆の前で叫ぶ画像」という同じプロンプトが、EUからは拒否され、米国やパキスタンのVPN経由では生成されることを確かめた。政治家のディープフェイクを禁じるGoogleの生成AI禁止用途ポリシーは管轄ごとに適用がばらつき、国外からの干渉に開かれていると結論づけている。

事例2:ベトナムの広告収入目的サイトへの誘導網

 ベトナム関連の1,110ページ(管理者の92%がベトナム在住)は、ゴシップ、犯罪、政治を混ぜた投稿で280の疑似ニュースサイトへ誘導する。報告書はこれを単一の網ではなく、閲覧数で自動広告収入を得るMFA(広告収入目的の量産サイト)の複数キャンペーンと判断した。うち332ページは2025年末以降に政治専用で投入され、フォロワー獲得広告2,300件超でEUの550万人に到達した。英国向けは反Starmer・親Farageと、AI生成の暴動や大量送還の映像を流す。フランス向けは2027年大統領選をにらんだBardellaとLe Pen支持、イタリア向けはMeloni支持が軸である。2026年3月に投入された英国向け10ページは反ムスリム投稿だけで170万件のエンゲージメントを得たが、1件も削除されていない。誘導は、3枚組のコラージュ画像を投稿し、管理者がコメント欄に記事URLを貼る形をとる。画像URLに含まれるYouTube動画IDを逆算すると、素材元の25チャンネルにはAfDの公式チャンネルも含まれていた。管理者コメント53,972件のリンクから描いたネットワーク図では、northwavenews(.)comなどが9か国向けのページで横断的に宣伝されていた。280サイトのうち124(44%)は、広告配信スクリプト、112ドメインに共通する追跡ピクセル、同一のWordPressテーマなど7つの技術指標が同時に一致し、単一の事業者に帰属する。ただし実際の広告配信は確認しておらず、評価はインフラの特徴だけに基づくと報告書自身が断っている。Community Sentinel MediaがMetaconex、オランダのAD.nlがBeeUp Companyと結びつけたベトナム企業2社の名は、本調査のページの広告にも支払者・受益者として表示されていた。

事例3:スリランカの収益化アカデミーと「AIキャンディ」

 最大の網は1,864ページと1,259グループ(会員430万)で、スリランカの起業家Geeth Sooriyapuraが運営する、西側向けFacebook収益化の講座に結びつく。識別には7指標を使い、4指標以上が一致したページだけを網に帰属させた。ページの85%が「ゲーム動画クリエイター」というカテゴリを選び、52%が「Life in France」「Italy Vibes」のように国名と汎用語を組み合わせた名前を持つ。標的は英国490ページ、フランス392、オーストラリア231、イタリア226の順に多い。544,510投稿は約2億9,000万件のエンゲージメントを集め、Farage対Starmer、Bolsonaro対Lulaといった二者択一で一方の極への支持を誘導する。投稿量は8か月で4倍になった。リールは投稿の11.8%ながらエンゲージメントの27%を生み、月間比率は7%から2026年3月の16.5%まで上昇した。報告書はこれを、Metaが2025年にクリエイター支払いの60%がリールに向かったと公表したことへの適応と読む。風景や動物の画像で先にフォロワーを集めてから政治に切り替える投稿は「AIキャンディ」と名づけられた。イタリア向けの90超のページはMeloniの性的なディープフェイクを投稿しており、12,000投稿で2,100万回のリール閲覧を得ていたが、Metaの現行方針には直接抵触しないとされる。帰属の根拠は、相互フォローで結ばれた525ページの網、会員88,000人の「Monetization Sri Lanka」グループへの投稿共有、シンハラ語で「政治ニッチ」での摘発回避を指南する投稿である。36%のページにAIラベルがあったが、すべて活動開始から6か月以上経った2026年5〜6月以降に付与されていた。

TikTokと、3社に共通するラベル表示の欠落

 TikTokの256アカウントは70%が2025年作成で、30,406本の動画が8億8,700万回の閲覧を得た。大半はYouTube動画をCapCutで縦型に加工する便乗型の拡散役で、ドイツと英国を主に標的にする。18アカウントはメキシコの歌手Sebastián Esquivelら人気インフルエンサーの名前と写真を借りて元の動画を転載したのち、一斉に政治動画へ切り替えた。20超のアカウントでは音楽表示がベトナム語だったが、位置メタデータからは特定の国への系統的な結びつきは確認されず、報告書はVPN利用の可能性を残している。AIラベルはTikTokの自動付与が15本、クリエイター申告が2,555本で計8.5%にとどまった。Kamala HarrisやRachel Maddowのディープフェイクも、無表示のまま数か月残っていた。YouTubeは2026年5月にタイトル下の小さな「AI」ラベルへ移行し、自動付与も始めると発表した。しかし6月の検証でもディープフェイク1,630本中93.5%が無表示で、同じチャンネルがほぼ同一の動画をラベル付きとラベルなしで投稿している例もあった。3社がラベル方針を発表してから2年以上経つ。報告書はこの結果を、2026年8月に適用が始まったEUのAI法の表示義務がなければプラットフォームは動かないことの証拠とみなす。

報告書の結論と、データの読み方

 報告書の提言は二つに集約される。第一に、収益化アカウントには広告と同等の透明性を求める。具体的には「有償コンテンツ」表示に相当する収益化ラベルと、広告ライブラリのように収益化の有無を確認できる公開登録簿である。第二に、クリエイターの自主申告に依存したAI表示は機能していないとする。収益の額については、報道を通じたクリエイターの自己申告以外にデータがない。

 ここからは本記事の見方である。まず、標本は「1 MINUTE AGO」や「ゲーム動画クリエイター」といった目印の検索で構築されており、政治クリックベイトの比率は同定された集団の性質を示すもので、プラットフォーム全体の普及率を示すものではない。次に、収益化の数値はYouTubeが推計式による基準充足、Facebookが過去の履歴、TikTokが一部の目視確認と、別々の量を測っている。3社の比率は横並びで比べられず、比べられないこと自体が透明性批判の実証になっている。さらに、金銭目的の行為者が極右・反EUナラティブに収束するという観察は、ナラティブの中身から国家との関係を推定する帰属手法の限界を示す。2か月で活動を止めたカザフスタンの親クレムリン網について報告書は収益化の証拠を示しておらず、利益目的か影響工作かは開かれた問いとして残る。最後に、GeminiのVPN検証は、EU域内だけで働く安全策が生成を域外に移すにすぎないことを示しており、AI法の実効性を考えるうえで具体的な材料になる。

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